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理系が迷う「学部卒での就職」と「大学院への進学」

多くの理系学生が陥る悩みについて

理系の学生の多くは、就職を考えるときに、大学院へは進まずに学部卒で就職するか、大学院へ進んで院修了まで行くか、どちらにするかの悩みに陥ります。
どちらが良い・悪いということもありませんので、学生それぞれの将来やキャリアを考えて、自身で決める必要があります。
ただし、院に進まずに2年早く社会に出るということは、キャリア的にアドバンテージにも等しく、学部卒と院修了を比較すると、学部卒で就職する割合が多いことも事実です。
ただし、院修了には院修了にしかないメリットがありますので、学部卒・大学院への進学、それぞれのメリットについて紹介します。

学部卒で就職することのメリット

学部卒で就職するメリット、それはやはり院修了で就職するより2年も早く社会に出てキャリアを積むことができることです。
現場でしか知りえない実務経験ができることは大きなメリットであり、博士課程での研究で得られるものではありません。
社会人として職場環境に慣れて、会社が求める人材に成長し、成果を出せるようにスキルアップに励むことができます。
高度な専門的知識を必要としない仕事を選ぶ場合には、2年も早く実務経験を積むことができる学部卒がおすすめとなります。

大学院へ進学することのメリット

大学院へ進学し、2年間専門分野の研究をすることは、その分だけ高い知識と技術があると評価されます。
ただしその2年間は研究や実験、レポートに明け暮れ、さらに就活も加わりかなりハードな院生生活を送ることになりますので、院卒後の進路について、綿密に計画を建てて動く必要があります。

では就職に関してはどうでしょうか?
やはり院卒まで出ていますので、研究開発職への就職に有利と言えます。
特に大手の場合、研究開発に就くには修士以上を求めてきますので、研究職を希望する理系学生は、大学院への進学がおすすめとなります。
もちろん絶対ではありませんし、研究職の募集は一般職に比べると少なくなってしまいます。

研究職以外の仕事に就く場合は、学部卒生でも院卒生でも、企業にとって必要なスキルを持ち、優秀な人材を採用しますので、一概にどちらがいいという判断はできないでしょう。
ただし、同じ土俵に立った場合、専門知識を持つ院卒の方が評価されることもあります。
院卒生の場合、技術や知識があることが証明されていますので推薦がもらいやすいというメリットがあります。

注意点としては、誰にも負けない専門知識があるということをアピールできないと、せっかくの2年間が生かされない可能性もあります。
そのため、専門分野だけではなく、視野を広く持って、2年の経験と知識が存分に生かせる分野を目指すようにしましょう。